情状酌量が認められるケース
1 犯罪事実に関する情状酌量が認められるケースについて
⑴ 計画性がなく、偶発的な犯行である
計画性がなく、突発的な感情や状況によって犯行に至った場合には、情状酌量が認められる余地があります。
例えば、被告人が被害者との口論の末、偶発的・突発的に暴行に及んだ場合などは、計画性がない犯行として情状酌量として考慮される余地があります。
⑵ 被害者に挑発行為などの落ち度がある
被害者の言動が犯行のきっかけとなり、被告人が感情的に反応してしまった場合には、情状酌量が認められる余地があります。
もっとも、挑発行為が比較的強いものであり、被告人の反応も相当である必要があると思料されます。
⑶ 常習性がない
例えば、窃盗などの犯罪を犯した場合に、計画性がなく、常習性もない場合には、情状酌量が認められる余地があります。
⑷ 犯罪の結果が軽微である
例えば、窃盗の被害額が軽微である場合や、傷害事件の負傷の程度が軽い(全治2週間程度)等は、情状酌量が認められる余地があります。
2 犯罪事実以外の一般的な情状が認められるケースについて
⑴ 被告人が犯罪事実を認め、反省の態度を示している
被告人が犯行を認め、深く反省している場合には情状酌量が認められます。
被告人の反省の情を示すためには、被告人が被害者、親、弁護人、裁判官などにあてた手紙、反省文を提出することが有益です。
また、被告人の友人・知人などが、被告人の反省している事情について、裁判所に寛大な処分を求める上申書や嘆願書を提出することも有益です。
⑵ 被害者との示談が成立している
被害者との間で示談が成立し、被害弁償が行われた場合には、示談は、被害者の損害を回復し、被告人の反省の意思を示すものとして評価され、情状酌量が認められます。
一方で、示談が成立しない場合においても、贖罪寄付をした場合や、損害賠償金を供託した場合には、情状酌量として認められる余地があります。
⑶ 再犯防止のための措置、環境整備が行われている
被告人が、再犯防止に向けた努力をしている場合には、情状酌量が認められます。
例えば、被告人が、薬物依存症の治療のため医療機関で治療を受けていること、更生プログラムを受講している等の事情、また、アルコール依存症による泥酔状態のもとで犯罪行為を行った被告人のケースでは、被告人が医療機関で治療を受けていることや、地域の断酒会に参加している等の事情が、情状酌量として考慮される余地があるといえるでしょう。
⑷ 身元引受人の監護措置が認められる
身元引受人として、両親やその他の親族、勤務先の上司、親しい友人にあたる人物が、以後、被告人の再犯防止のために被告人を監督することの身元引受書を差し入れ、また、法廷で情状証人としてその旨を証言した場合には、情状酌量が認められます。
3 被告人の個人的な事情について
⑴ 被告人が若年者(20代前半)である
未成年者や若年者は、判断能力や自制心が未発達であるため、外部からの誘いや圧力により罪を犯すことがあり、情状酌量される余地があります。
⑵ 被告人が高齢で認知機能が低下している
高齢者で、認知機能が低下し、健康状態の悪化も認められる場合には、情状酌量される余地があります。
⑶ 被告人に精神疾患や知的障害があり、継続的な支援の必要性が認められる
被告人に精神疾患や知的障害が認められ、犯行時の判断能力や責任能力が低下している場合には、障害者としての専門的かつ継続的な支援が必要であるケースとして、情状酌量される余地があります。
⑷ 家庭環境
恵まれない家庭環境で育った場合や、家族の介護が必要な場合など、被告人が置かれた環境が犯行に影響を与えたと認められる場合には、情状酌量が認められる余地があります。
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